鋼管の解析を行いました

鋼管の圧力解析と応力分布

私の最初の職場では、鋼管をよく使用していました。水ポンプで循環させる際に、数MPaの耐圧試験も行っていました。最近、鋼管の圧力解析を依頼され、鋼管にかかる応力を調べる機会がありました。

圧力解析の概要

以下の図は、1MPaの圧力をかけたときの主応力分布を示しています。鋼管は10K80Aを使用し、片側を固定端、もう片方を自由端としています。圧力は右のグラフのように色分けされており、単位はPaです。

主応力は加圧に起因するため、ほぼ1MPa(赤茶色)が均等に分布しています。

フォンミューゼス応力の確認

鋼板や鋼管の強度検討のパラメータであるフォンミューゼス応力(鋼管にかかっている全応力)を確認してみました。結果、9.6MPaの応力がかかっていることがわかりました。これは、薄肉管に発生するフープ応力によるものです。

フープ応力

フープ応力は以下の式で表されます:

フープ応力=圧力×鋼管の内径4×鋼管の厚みフープ応力=4×鋼管の厚み圧力×鋼管の内径​

10K80Aの鋼管において、圧力=1MPa、鋼管の内径=80.9mm、鋼管の厚み=4.2mmを代入すると、フープ応力は9.6MPaとなります。

安全性の確認

SGPの引張強度は290MPaなので、9.6MPaの応力はまったく問題ない数値です。解析を行うことで、設計検討が正しいか、安全率が適切かなどを数値化できます。


このように、鋼管の圧力解析を行うことで、設計の安全性を確認し、適切な対策を講じることができます。ぜひ参考にしてください!

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